運転免許返納の手引き

75歳以上の免許更新 認知機能検査・高齢者講習・運転技能検査と費用

内容の確認日: 2026年11月5日

75歳以上の免許更新では、更新の前に認知機能検査と高齢者講習を受けます。一定の違反歴がある人は、運転技能検査も受けます。費用は、警察の施設なら認知機能検査が1,050円、高齢者講習が6,600円(実車指導なしは2,950円)という案内があります。教習所で受ける場合の金額は、教習所ごとに違います。

認知機能検査の結果が「認知症のおそれあり」でも、その場で免許がなくなるわけではありません。医師の診断を受ける手続きに進みます。この記事は一般的な情報です。個別の判断は住所地の警察署や運転免許センターなどにお願いします。内容は2026年11月5日に確認しました。

対象と全体の流れ

道路交通法101条の4は、更新期間が満了する日の年齢で、受ける検査と講習を分けています。

府中運転免許試験場の正面
写真: Douglas Paul Perkins / CC BY 3.0(Wikimedia Commons)
  • 70歳以上: 満了日前6か月以内に高齢者講習を受ける(第1項)
  • 75歳以上: 満了日前6か月以内に認知機能検査を受ける(第2項)。診断書を出した場合などは、受ける必要がありません
  • 75歳以上で、政令の基準に当たる違反歴がある人: 運転技能検査を受ける(第3項)

警察庁のページによると、対象者には満了日の6か月前までに警察から通知が届きます。受検は満了日の6か月前から可能です。順番について、静岡県警は法律上の定めはないとしながら、認知機能検査から受けることを勧めています。警視庁は、3つを自由な順番で受けられるとしています。神奈川県警は、認知機能検査、高齢者講習、運転技能検査(該当者のみ)、更新手続きの順に案内しています。

検査や講習は予約制です。静岡県警は数か月待ちになる地域や時期があるとして、早めの予約を勧めています。更新をしなかった場合の扱いは免許の失効と自主返納の違いにあります。失効後6か月以内に免許を取り直す75歳以上の人にも、同じ種類の検査と講習が付きます(97条の2第1項3号)。

認知機能検査の内容と結果

認知機能検査は、記憶力と判断力を確かめる簡易な検査です。施行規則26条の3によると、方法は2つあります。検査をしている時の年月日、曜日、時刻を書かせること。そして、示された16種類の物の図画について、一定時間後に名称を書かせることです。

沖縄県警察の運転免許センターの建物
写真: Kugel~commonswiki / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

警察庁のページは、この2つを「手がかり再生(記憶力)」と「時間の見当識」と呼んでいます。用紙に書く方法と、タブレットにタッチペンで入力する方法があります。

判定は「認知症のおそれがある」か「ない」かの2つです。基準は施行規則29条の3にあり、点数が36点未満だと「おそれあり」になります。警視庁の案内も36点未満としています。結果は書面で通知され、更新の際に提出する書類になります。

「おそれあり」になった場合の流れは、警察庁のページと道路交通法102条で次のとおりです。

  • 公安委員会から連絡が来る
  • 臨時適性検査(専門医の診断)を受けるか、医師の診断書を出す
  • 認知症と診断されると、聴聞などを経て免許の取消しまたは効力の停止になることがある

警察庁は、この検査は簡易な方法で、医師の診断や医療検査の代わりにはならないとも書いています。神奈川県警は、「おそれあり」の場合も更新の申請はできるとしています。医師が「認知症に該当する疑いがない」と判断した診断書(満了前6か月以内)を出せば、検査を受けなくてよい場合があります(施行規則29条の2の3)。

違反後の臨時認知機能検査と臨時適性検査

更新のときだけでなく、運転中の違反で検査を受ける場合もあります。道路交通法101条の7は、75歳以上の人が、認知機能が低下したときに行われやすい違反をしたとき、公安委員会が臨時に認知機能検査を行うと定めています。

対象の行為は施行令37条の6の4の18項目です。信号無視、通行区分違反、横断歩行者等の優先違反、一時停止違反、安全運転義務違反などが入ります。通知を受けた人は、通知を受けた翌日から1か月以内に検査を受けます。病気や海外旅行などのやむを得ない理由がある場合は、その期間を除いて数えます(101条の7第3項、施行令37条の6の5)。

結果が基準に当たると、臨時適性検査を受けるか、医師の診断書を出します(102条)。直近の検査で「おそれなし」だった人が「おそれあり」になった場合などには、臨時の高齢者講習が行われます(警察庁、施行規則29条の2の6)。

高齢者講習の進み方

高齢者講習は、70歳以上が受ける講習です。警察庁の資料によると、普通自動車の免許を持つ人の講習は2時間で、内訳は次のとおりです。

今治中央自動車教習所の建物
写真: キアラア / CC0(Wikimedia Commons)
  • 講義(座学): 30分。地域の交通事故の実態、運転者の心構え、安全運転の知識など
  • 運転適性検査: 30分。器材で動体視力、夜間視力、視野を調べ、結果に基づく指導をする
  • 実車指導: 60分。通常は3人程度で1グループ。1人あたりの指導は約20分で、走行は約10分

実車の課題は、指示速度での走行(1回)、一時停止(2回)、右左折(計4回)、信号通過(2回)、段差乗り上げ(1回)です。実車指導は試験ではなく、合否はありません(神奈川県警・北海道警)。

講習の種類は免許で変わります。警視庁と神奈川県警は、運転技能検査の対象者と、原付・二輪・小型特殊・大型特殊だけを持つ人は、実車なしの1時間の講習になると案内しています。

受ける場所は県で違います。警視庁では、府中・鮫洲の試験場と都内の指定自動車教習所で受けられます。静岡県警は、更新時の講習を運転免許センターと警察署では実施せず、自動車学校などで受けるとしています。講習を受けると終了証明書が出て、更新時に提出します。

運転技能検査は誰が受けるか

運転技能検査は令和4年に始まりました。警察庁のページによると、75歳以上で一定の違反歴がある人が、更新までに合格しなければ免許を更新できません。

波止浜興産自動車教習所の建物
写真: キアラア / CC0(Wikimedia Commons)

対象になるのは、有効期間満了日の直前の誕生日の160日前から前3年間に、次のような違反をした人です(施行令37条の6の3、警察庁)。

  • 信号無視、通行区分違反、通行帯違反等、速度超過
  • 横断等禁止違反、踏切不停止等・遮断踏切立入り、交差点右左折方法違反等、交差点安全進行義務違反等
  • 横断歩行者等妨害等、安全運転義務違反、携帯電話使用等

検査は、コースで普通自動車を運転して行います。100点満点からの減点方式で、第一種免許は70点以上、第二種免許は80点以上で合格です。警察庁の資料では、検査全体が約20分、走行は約10分以上です。減点の例は、補助ブレーキを踏んだ場合が30点、右左折の失敗が20点または40点です。

基準に達しない場合、公安委員会は更新をしないことができます(101条の4第4項)。警視庁も、不合格だと更新できないと案内しています。再受検の回数や手数料は、警察庁のページに記載がありませんでした。受検の方法は県警で確かめてください。

費用の目安

政令の標準額と、確かめた県警の案内を並べます。

2021年に造られた2種類の五百円硬貨
写真: Heavy Frisker / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

表は左右に動かして読めます。

項目施行令43条の標準額警視庁の案内神奈川県警の案内
認知機能検査1,050円警察施設は1,050円。教習所は教習所ごと1,050円
高齢者講習(実車あり・2時間)6,600円6,600円6,600円
高齢者講習(実車なし・1時間)2,950円2,950円2,950円
運転技能検査3,650円教習所ごと3,650円

標準額は、施行令43条の表の物件費・施設費に対応する額と人件費に対応する額の合計です。認知機能検査は400円と650円で1,050円、運転技能検査は1,150円と2,500円で3,650円です。高齢者講習は、普通自動車対応免許の人が2,200円と4,400円で6,600円、実車なしの区分が700円と2,250円で2,950円です。県警の案内は、この標準額と一致していました。道路交通法112条は、この額を標準に条例で定めるとしています。

教習所などで同等の講習や検査を受ける場合は、金額が教習所ごとに違います(警視庁・神奈川県警・静岡県警)。静岡県警のページには金額の記載がなく、予約時に問い合わせるよう案内しています。更新の手数料は別にかかります。

出典

いずれも2026年11月5日に確認しました。手数料や実施場所は変わることがあります。

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