運転免許返納の手引き

免許返納は家族が代理でできる? 県警ごとの条件と必要書類

内容の確認日: 2026年11月5日

本人が窓口へ行けないとき、家族などが代理で免許を返納できる都道府県警察は多くあります。ただし、誰でも、いつでもできるわけではありません。確かめた県警の案内では、入院や施設入所などで来庁できないこと、電話で本人の意思を確かめられること、本人が書いた委任状があることが、主な条件でした。

代理人の範囲、必要な書類、運転経歴証明書の扱いは県で違います。この記事は一般的な情報です。個別の判断は住所地の警察署や運転免許センターなどにお願いします。内容は2026年11月5日に確認しました。

法令と警察庁の案内は代理について何と言うか

道路交通法104条の4第1項は、免許を受けた人が公安委員会に取消しを申請できると定めています。施行規則30条の7も、申請書の提出と免許証の提示を定めています。この二つの条文に、代理人による申請の定めは見当たりませんでした。

丸の内警察署の庁舎
写真: てれとぴあん / CC0(Wikimedia Commons)

警察庁の「運転免許証の自主返納について」にも、代理申請の記載はありません。申請場所・受付時間・必要書類・要件は、各都道府県警察に問い合わせるよう案内しています。つまり代理申請の条件は、各県警察が窓口の運用として定めています。以下は県警ごとの案内を並べたものです。他の県にも同じ扱いがあるとは限りません。

返納の窓口や持ち物の基本は免許を自主返納する手続きにまとめています。

県警ごとの条件の違い

代理返納を認める条件は、案内の書きぶりが県ごとに違います。

徳島県運転免許センターの建物
写真: ブルーノ / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

表は左右に動かして読めます。

県警代理を認める事情・条件運転経歴証明書の代理申請
警視庁必要書類は案内にあるが、事情の条件の記載は見当たらない委任状で申請できる(同時申請・失効後5年以内のページ)
埼玉県警入院、施設入所、自宅療養などでやむを得ず来庁できない。電話などで意思確認ができるできる。5年以内の後日申請は運転免許センターのみ
大阪府警本人が病気等で申請できない場合は代理人でも申請できる(ほかの場合の扱いは確かめられていません)できる。同時申請の案内に必要書類がある
北海道警病気や負傷で、介助なしでは行動できない場合は代理人申請が可能(運転経歴証明書の申請ページの記載。ほかの場合の扱いは確かめられていません)できる(委任状と代理人の身分証明書など)
徳島県警入院などで来庁できない。電話で意思確認ができる。運転免許証のみを持つ人に限るできる(マイナ免許証・2枚持ちはできない)
茨城県警来庁できないことを示す書類(医師の診断書など)が必要。電話で意思確認する運転免許センターで返納と同時の場合のみ
長崎県警委任状兼確認書などを出す。電話で本人確認をすることがある返納と同時の場合に限る。後日だけの代理申請はできない

愛知県警は、運転経歴証明書の代理申請について次の場合はできないと案内しています。失効した場合、愛知県以外の公安委員会で自主返納した場合、郵送による自主返納の申請の場合です。日曜日も代理人による申請はできません。

千葉県警は、運転経歴証明書について原則本人の申請が条件だとしています。細かい扱いは同県警の案内で確かめてください。

代理人になれる人の範囲

代理人の範囲を具体的に書いている県警もあれば、書いていない県警もあります。

川崎幸病院の外観
写真: Masayo Miyamoto / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)
  • 埼玉県警: 親族(原則3親等以内)、同居人(世帯の住民票に載っている成人)、施設などの関係職員、成年後見人
  • 徳島県警: 配偶者、同居親族、2親等以内の親族。友人や同僚は認められません。一人暮らしで施設にいる人は、先に相談するよう案内しています
  • 大阪府警・北海道警・長崎県警・茨城県警: 代理人の続柄の範囲は、確かめたページでは見当たりませんでした

同じ家族でも、県によって代理人になれるかどうかが変わる可能性があります。たとえば3親等の親族は埼玉県警では対象に入りますが、徳島県警では2親等までです。

代理人と本人の関係を示す書類も県で違います。埼玉県警は、同居の親族や同居人なら住民票(個人番号の記載がないもの)、同居しない親族なら戸籍謄本、成年後見人なら登記事項証明書などを挙げています。

代理返納の必要書類

返納だけを代理で行う場合の書類を、県警ごとに並べます。

茨城県警察運転免許センターの建物
写真: 小石川人晃 / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)
  • 警視庁: 本人の運転免許証、委任状(見本あり)、代理人の住所・氏名・生年月日が分かる書類
  • 埼玉県警: 本人の運転免許証、県公安委員会指定の委任状・申立書、本人と代理人の関係を確かめる書類
  • 徳島県警: 代理申請の確認書と代理人の誓約書、本人の運転免許証、代理人の身分証明書
  • 長崎県警: 返納者本人が書いた「委任状兼確認書」、本人の免許証、代理人の身分証明書、代理人が書いた「代理人誓約書」
  • 茨城県警: 本人の免許証等、来庁できないことを示す書類、委任状兼承諾書。案内には、本人の住民票の写し等と申請用写真1枚も必要と書かれていますが、返納だけの場合にも要るのか、運転経歴証明書を申請する場合の話なのかは、ページの書き方から確かめられませんでした

委任状や誓約書の様式は県警が定めています。埼玉県警と長崎県警は、事前にホームページから様式を取って記入しておくよう案内しています。長崎県警は、事前に記入して持参すると手続きの時間を短くできるとも書いています。

運転経歴証明書を同時に代理申請する場合は、書類が増えます。埼玉県警の案内では、委任状・申立書、関係を確かめる書類、手数料1,150円、写真1枚(縦3cm×横2.4cm)が必要です。写真は、北海道警の案内では代理人の申請だと必要になります。申請の期限や手数料は運転経歴証明書の申請で説明しています。

代理で返納すると、本人が持つ全部の免許が取り消されます(茨城県警の案内)。一部だけを返納したい場合は、事前に窓口に確かめてください。

代理ではできないことと注意点

代理申請が使えない場面は、県警の案内で共通する点があります。

前橋赤十字病院の外観
写真: Mangone / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)
  • マイナ免許証・マイナ経歴証明書に関する申請: 埼玉県警・大阪府警・徳島県警が代理申請を認めていません。千葉県警もマイナンバーカードへの記録は代理ではできないとしています
  • 免許証を紛失している場合: 埼玉県警と大阪府警は、代理人による返納を認めていません
  • 有効期限が切れた免許: 埼玉県警は代理人申請ができないとしています。失効は免許の失効と自主返納の違いで説明しています
  • 運転経歴証明書の再交付: 埼玉県警・茨城県警・長崎県警は代理申請を認めていません
  • 電話での意思確認ができない場合: 埼玉県警・徳島県警は受け付けません。茨城県警も、本人へ電話で意思を確かめるとしています

代理人が窓口へ行く前に、本人が自分の意思で返納すると伝えられる状態かどうかを確かめておくと、手続きが止まりにくくなります。県警は電話で本人の意思を確かめます。

代理申請の条件に当たるか迷うときは、住所地の警察署か運転免許センターに先に電話で相談してください。埼玉県警の運転免許課のように、問い合わせ先の電話番号を案内している県警もあります。

出典

いずれも2026年11月5日に確認しました。代理申請の条件は県警が定める運用で、変わることがあります。広島県警のページは開けなかったため、扱いを書いていません。

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