運転免許返納の手引き

免許返納後の車の手続き 名義変更・廃車・自動車税の還付

内容の確認日: 2026年11月5日

免許を返納しても、車の登録は自動では変わりません。車を手放すときは、人に譲る「名義変更(移転登録)」か、登録をやめる「抹消登録」を、運輸支局などで自分で手続きします。抹消登録には、使用を一時的にやめる「一時抹消登録」と、解体して再び使わない「永久抹消登録」があります。

自動車税は、毎年4月1日時点の所有者に1年分がかかります。普通車は、年度の途中で抹消登録をすると、翌月以降の分が月割で戻ります。名義変更では戻りません。軽自動車税には月割の仕組みがありません。この記事は一般的な情報で、個別の判断は運輸支局や軽自動車検査協会、都道府県税事務所、市区町村の税の窓口などにお願いします。内容は2026年11月5日に確認しました。

返納しても登録は残る 3つの手続き

滋賀県の自動車税の案内は、登録を抹消しない限り毎年課税が続くと説明しています。今後使わない車は、運輸支局で抹消登録が必要という趣旨です。

秋田運輸支局の庁舎
写真: 掬茶 / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトは、登録車の手続きを次のように分けています。手続きは、自分の住所を管轄する運輸支局等で行います。

表は左右に動かして読めます。

手続き当てはまる場面国土交通省の説明
移転登録(名義変更)車を売る、譲る所有者を変更する際に必要な手続
一時抹消登録しばらく使わない登録を受けている自動車の使用を一時中止する場合に必要な手続
永久抹消登録解体して再び使わないリサイクル事業者に引き渡して適正に解体処分した場合に必要な手続。手数料は無料

このほかに、輸出する場合の抹消もあります。この記事では扱いません。

軽自動車は窓口が別です。軽自動車の名義変更、一時使用中止、解体は、軽自動車検査協会で手続きします。以下、軽自動車の記述は軽自動車検査協会の案内によるものです。

名義変更 売る・家族に譲るとき

人に譲る場合は、移転登録を申請します。国土交通省のポータルサイトが挙げる主な書類は次のとおりです。

駐車スペースに止まった軽自動車
写真: Nicolás Boullosa / CC BY 2.0(Wikimedia Commons)
  • 移転登録申請書(自動車検査証変更記録申請書)
  • 手数料納付書(自動車検査登録印紙を貼ります)
  • 譲渡証明書(譲る人が実印を押します)
  • 新旧所有者の印鑑登録証明書(発行から3か月以内)
  • 自動車検査証(有効期間のあるもの)
  • 代理人が申請する場合は委任状
  • 使用の本拠の位置が変わり、保管場所証明書の適用地域に当たる場合は自動車保管場所証明書

車検証の所有者欄に自分以外の名前があるかを確かめます。国土交通省は、車検証をAタイプとBタイプに分けています。Aタイプでは、所有者欄に書かれた所有者からの書類が必要です。Bタイプは備考欄に所有者の情報が記録され、リース会社などへの確認を勧めています。ローンが残る車では、所有者がローン会社の場合があります。その場合は先に会社へ相談してください。

軽自動車の名義変更では、軽自動車検査協会の案内で、車検証の原本が必要です。コピーは使えません。使用者や住所が変わる場合は、新しい使用者の住所を証する書面(個人は住民票の写しか印鑑登録証明書のいずれか1点)も必要です。ナンバープレートは、使用の本拠の位置の管轄が変わらなければ不要です。使用者と所有者が違う場合は、所有者(販売店やローン会社など)の同意を先に得るよう案内されています。

名義変更をしても、その年の自動車税は戻りません。理由は4つ目の節に書きます。

一時抹消と永久抹消の違い

一時抹消登録は、使用を一時中止する手続きです。永久抹消登録は、解体したうえで再び使わない場合の手続きです。

道路を走る日本のタクシー
写真: Martin Lewison / CC BY-SA 2.0(Wikimedia Commons)

国土交通省のポータルサイトの整理から、違いを並べます。

表は左右に動かして読めます。

項目一時抹消登録永久抹消登録
目的使用の一時中止解体して再び使わない
解体との関係使用を中止する手続き必要。リサイクル事業者に引き渡して適正に解体した後の手続き。申請書に解体報告記録の日と移動報告番号を書く
手数料「登録手数料一覧」で確認無料
その後再び使うときは、抹消した車を再び使用する「中古車新規」の登録。解体、輸出、所有者の変更をするときは、届出が必要手続きは終わり

一時抹消登録は、自宅からインターネットで申請できると案内されています。自動車保有関係手続のワンストップサービスを使います。変更登録も必要な場合は、別に変更登録手数料(オンライン申請450円、窓口申請500円)がかかります。

永久抹消登録で自動車重量税の還付も申請する場合は、自動車重量税還付申請書などが追加で必要になります。還付の条件について、軽自動車検査協会の案内に次の説明があります。自動車リサイクル法に基づいて適正に解体され、解体届出と同時に還付申請をした場合に、車検の残りの期間に応じた重量税が戻ります。ただし、車検の残りの期間が1か月以上ある場合に限ります。登録車の条件は、この記事を書く際に国土交通省のページで確認できなかったため書いていません。

軽自動車の手続きは、次のとおりです。

  • 解体返納: 解体した場合の手続き。使用済自動車を引き取った事業者から解体が終わった連絡があった後に申請します。車検証の原本、移動報告番号、ナンバープレート、解体届出書(軽第4号様式の3)が要ります。手数料は無料です
  • 自動車検査証返納届(一時使用中止): 使用を一時的にやめる場合の手続き。車検証の原本、ナンバープレート、返納届出書(軽第4号様式)が要ります

自動車のリサイクルについて、国土交通省は経済産業省か自動車リサイクルシステムのページを参照するよう案内しています。

自動車税と軽自動車税 戻る場合と戻らない場合

自動車税(普通車など)は都道府県、軽自動車税は市区町村の税です。課税の基準は、毎年4月1日時点で車検証に登録されている所有者です。

日進市役所の本庁舎
写真: Mont Blank rich / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

普通車の自動車税

東京都主税局の案内では、納付後に廃車すると、抹消登録した月までが課税され、翌月以降の分が還付されます。6月に抹消登録をした場合は、4月から6月の3か月分が課税されます。基準になるのは、業者に車を引き渡した日ではなく、運輸支局などで実際に抹消登録した日です。

大阪府の案内には、計算式と例があります。

  • 計算式: 既に納めた年税額から、「年税額×4月から抹消登録の日が属する月までの月数÷12」(100円未満は切り捨て)を引く
  • 例: 年税額39,500円で8月20日に抹消登録した場合、還付額は23,100円

戻らない場合も案内されています。大阪府の案内では、所有者を移転する登録(譲渡)、他の府県への転出登録、3月中の抹消登録では、減額も還付も行われません。東京都の案内でも、4月1日時点の所有者に1年分が課税されるため、年度途中に譲渡しても前の所有者が年度分を納める仕組みです。名義変更で車を家族に譲る場合も、その年度分の扱いを家族と決めておくと行き違いを防げます。

還付の受け取り方は、都道府県で違います。

  • 東京都: 別の還付申請は不要です。抹消登録の確認から約1か月で、納税義務者に通知が届きます。5万円以下はゆうちょ銀行の振替払出証書、5万円を超える場合は口座振替依頼書を返送します
  • 大阪府: 抹消登録の日から1か月半程度で、還付請求書兼口座振替申出書が届きます。返送後4〜6週間程度で入金されます
  • 滋賀県: 抹消登録から1か月から1か月半ほどで送金通知書が届き、滋賀銀行の窓口で受け取ります。県外の人にはゆうちょ銀行の振替払出証書が届きます

都税や府税に未納がある場合は、還付金が未納分に充てられます(東京都、大阪府の案内)。

軽自動車税

神戸市の案内では、軽自動車税は毎年4月1日時点で軽自動車などを所有している人に1年分が課税されます。自動車税のような月割の制度がなく、4月2日以降に廃車の手続きをしても、その年度の税金は減額も還付もされません。軽自動車検査協会の案内でも、4月1日現在で車検証の名義の人に軽自動車税が課税されると書かれています。軽自動車税は市区町村ごとの税なので、詳しくは住んでいる市区町村の窓口で確認してください。

この記事では、自動車保険、駐車場の契約、車の買取や下取りの価格には触れていません。これらは公的機関の資料で確かめていないためです。返納後の支援や車以外の生活の備えは免許返納の特典と運転経歴証明書で説明しています。

出典

いずれも2026年11月5日に確認しました。税の扱いは都道府県と市区町村で違う部分があります。手続きの前に、車を登録している運輸支局、軽自動車検査協会、税の窓口で確かめてください。

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